− 特許調査に使ってみた! −
出願前先行技術調査を例にあげて、ぱっとマイニングJPの活用方法を紹介します。
ぱっとマイニングJPを活用すれば、調査の精度を高めながら省力化することができます。


【特許調査の種類】

特許調査にはいくつかの種類があり、それぞれに目的や調査すべき対象などが異なります。

・出願前先行技術調査:先行技術文献の有無を検証し、新規性・進歩性の判断材料とします。
 発明のアイデアを特許として出願するかしないか、出願するのであれば、どのような権利範囲で出願するか、などを検討するための材料とします。
 明細書作成の参考資料として利用したり、出願時の参考公報の選定にも活用します。
 出願前だけでなく、審査請求前にも同様の調査を行い、出願時には確認することができなかった(公開されていなかった)先行出願を調査します。

・無効資料調査:製品開発・実施時に問題となる特許を無効化する目的で、特許として権利化されている出願の請求項に対して、先行特許から無効理由を抽出します。

・特許侵害調査:技術・製品等を実施・製造・販売する際に他社の権利を侵害するリスクを回避するため、関連する権利範囲を持つ公報を抽出します。

・SDI調査:注目する分野や技術、競合他社などに絞って、定期的に出願や権利状況を監視します。

いずれも、検索式によって限定した母集合の公報を査読して抽出します。

今回は、出願前先行技術調査を例にあげて、ぱっとマイニングの活用方法を紹介しますが、その他の種類の特許調査においても、同様の活用ができます。


ページの一番上に戻る
【調査テーマ】

今回の事例は、「ドローンの回転翼周りに、CFRPを使用した保護フレームを配置する」というアイデアに関して、先行技術調査を行うものです。

ぱっとマイニングJPを活用すれば、調査の精度を高めながら省力化することができます。


ページの一番上に戻る
【調査プロセスの確認】

先行技術調査では、最初に「観点分解」を行い、予備調査(あら調査)をしてから本調査に入ります。

その過程で、キーワードや類語の抽出、分類コードの抽出にぱっとマイニングJPを利用することができます。


ページの一番上に戻る
【1:観点分解】

観点分解は、特許調査を行う上で、いちばん重要な作業だと言えるでしょう。 頭で考えるだけでなく、図に描くなどして視覚化しておくことにより、調査作業中のブレや混乱を防ぐことができます。

実際の調査では、CFRPを使用する目的など、図示した以外にも明確にすべき点がありますが、ここでは省略しています。


ページの一番上に戻る
【2:WEB調査】

よくわかっているつもりの用語でも、改めて意味を定義してみます。

調査の依頼人(発明者など)が「ドローンの・・・」と言ってきた場合、ドローンの範囲(定義)をすり合わせておかないと、調査の観点が曖昧になりかねません。

また、同義語、類語もピックアップしておきましょう。

WEB情報を活用する場合は、すべての情報が正しいとは限らないことを念頭に置いておく必要があります。


ページの一番上に戻る
【3−1:予備調査用データの準備】

特許書面では、WEB情報で使用されるような一般的な用語ではない専門用語が使われている場合があります。

そのため、キーワードの選定では、実際に公報を読んでみる必要があります。


ページの一番上に戻る
【3−2:予備調査用データの準備】

キーワードによるざっくりとした検索式を用い、データをダウンロードしてぱっとマイニングJPで開きます。

無理に件数を絞る必要もありません。


ページの一番上に戻る
【4−1:予備調査】

最初に、『総合ランキング』で、よく使用されている分類コードを確認します。

分類コードによる文書数集計のポイントは「区切指定」です。

「全部」にすると、分類が細かくなりすぎるので、「サブグループまで」や「メイングループまで」くらいで集計します。


ページの一番上に戻る
【4−2:予備調査】

1公報に複数の分類コードが付与されることが多いので、ドローンからかけ離れたコードもランキングの上位に出てくる場合があります。

コードの意味をよく理解して、ピックアップする必要があります。

『総合ランキング』のコード名をダブルクリックすると、「パテントマップ・ガイダンス・ブラウザ」が開き、コードの意味が表示されます。


ページの一番上に戻る
【4−3:予備調査】

FIコードにおいては、

B64C  飛行機:ヘリコプタ  がドローンの関連コードのようです。

その中でも、B64C 39/02  ・特殊用途を特徴とするもの が一番よく使用されているようです。


ページの一番上に戻る
【4−4:予備調査】

続いてキーワードを調べます。 「近傍検索」という機能を利用すれば、1公報ずつ読み解かなくてもキーワードが抽出できるので、おすすめです。

メインワードに「無人」というキーワードを入れてみると、「無人」を使用したセンテンスが表示されます。

小型無人航空機、自律無人飛行装置などの用語が用いられていることがわかります。いかにも特許公報らしい用語です。


ページの一番上に戻る
【4−5:予備調査】

試しに「(ドローン)」というキーワードを入れてみます。

()などの記号はそのまま入力欄に入れても認識されないので、ダブルクォーテーション(“)で囲みます。

無人航空機(ドローン)や無人飛行体1(ドローン)などの用語が見つかります。


ページの一番上に戻る
【4−6:予備調査】

メインワードに「ドローン(」と入力して検索すると、ドローン(****)の「****」の部分が抽出できます。

出願書面の中で、ドローンをどのような用語で言い換えているのかが簡単につかめます。


ページの一番上に戻る
【4−7:予備調査】

「近傍検索」で、メインワードに「無人」「遠隔」「自律」「翼」というキーワードを入れて、それぞれに検索した結果、いろいろな類語を発見しました。


ページの一番上に戻る
【4−8:予備調査】

データベースで「ドローン」というキーワードを用いると、「カードローン」や「スピードローン」などの無関係なキーワードもヒットします。

これらは出願分野がまったくちがうものなので、ノイズワードとして扱います。


ページの一番上に戻る
【5−1:検索式の作成】

ぱっとマイニングJPを利用して見つけた分類コードやキーワード、同義語、類語を用いて、検索式を策定します。

分類コードだけの式、キーワードだけの式、コードとキーワードをかけ合わせた式を並列して、ドローン関連の母集合を作り、

そこからCFRPや目的などで絞り込みます。


ページの一番上に戻る
【5−2:検索式の作成】

今回はあくまでも一例なので、ドローンを主軸にした検索式になっていますが、CFRPを主軸にして、全文の中で(例えば利用用途として)ドローンに触れている、というような式を並行して作成すると、漏れが少なくなるでしょう。


ページの一番上に戻る
【6−1:ぱっとマイニングJPで調査】

検索式が決まったら、中身を読むために対象の公報データをダウンロードします。

データベース上で査読することもできますが、ぱっとマイニングJPを利用すれば、もっと短時間で査読調査が行なえます。


ページの一番上に戻る
【6−2:ぱっとマイニングJPで調査】

データをダウンロードしたら、ぱっとマイニングJPに取り込んで、再び「近傍検索」画面を開きます。

今度は、メインワードに加えて、前方ワードや公報ワードを使ってセンテンスを抽出します。


ページの一番上に戻る
【6−3:ぱっとマイニングJPで調査】

「入替」ボタンをクリックすると、「安全〜CFRP」という文脈と「CFRP〜安全」という文脈が抽出できます。


ページの一番上に戻る
【6−4:ぱっとマイニングJPで調査】

メインワードに「CFRP」、前方ワードと公報ワードの両方に「安全」と入力し、「前後両方のワードで抽出」のチェックをはずすと、「安全〜CFRP」または「CFRP〜安全」という両方のワード順の文脈が一度に表示されます。


ページの一番上に戻る
【6−5:ぱっとマイニングJPで調査】

「近傍検索」で気になった公報をダブルクリックすると、「文書ブラウザ」で公報の内容を確認することができます。


ページの一番上に戻る